自宅サーバの機器が用意できたら次はOSのインストールです。
自宅サーバのOSにはLinuxを使うのが一般的です。
Linuxにも色々種類がありますが、Debianをインストールしていきたいと思います。
DebianはUbuntuやRaspberry Pi OSの元となったディストリビューションです。
サーバーとして使用するのでデスクトップ環境(GUI)はインストールしません。
インストールについて詳しく知りたい方はインストールガイドがあるのでそちらを参照してみてください。
Debian GNU/Linux インストールガイド
Debian GNU/Linux インストールガイドこの文書は 64-bit PC (amd64) アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 12 システム (コードネーム bookworm) のインストール説明書です。また、さらに詳しい情報へのポインタや、新しく Debian シ...
インストールメディアの作成
OSのインストールを行うにはインストールメディアが必要になります。
インストールメディアはデータをダウンロードして自分で作成できます。
今回はUSBメモリでインストールメディアを作成したいと思います。
USBメモリの容量ですが、Debianの場合、1GBもあれば大丈夫です。
USBメモリは32GBで千円前後なので、新規で買う場合は32GB以上の物を買うと使い勝手が良いと思います。
データダウンロード
netinst CDイメージというをデータをダウンロードしします。
netinst CDイメージはインストール時に、必要に応じてネットワーク経由でパッケージを取得するISOイメージです。
ネットワークインストールではインターネットへの接続を前提としています。
CDイメージなので、CDにデータを書き込んでインストールメディアにできますし、USBメモリにデータを書き込んでインストールメディアにすることも可能です。
下記ページからデータのダウンロードができます。
最小の CD を使って、ネットワークインストールする
Debian -- 最小の CD を使って、ネットワークインストールする
CPUの種類ごとにイメージがありますが一般的なパソコンのCPUは「amd64」になります。
以下のようなファイルをダウンロードできれば問題ないです。
debian-xxxxxx-amd64-netinst.iso
USBメモリ書き込み
次にデータをUSBメモリに書き込みます。
普通にデータを書き込んだだけではOSインストール用のインストールメディアにはなりません。
Windowsの場合は、「Rufus」というソフトを使うと簡単にブート可能なインストールメディアが作成できます。
Rufus
Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できますRufus: Create bootable USB drives the easy way
その他、Windows・Linux・macOS に対応した「UNetbootin」というソフトもあります。
こちらは、OSのイメージもダウンロードできるソフトになり、さまざまなOSに対応しています。
UNetbootin
UNetbootin - Homepage and DownloadsUNetbootin allows you to create bootable Live USB drives for Ubuntu, Fedora, and other Linux distributions without burni...
その他注意点
自宅サーバ用の機器にWindowsのOSがインストールされている場合、念のためWindowsのインストールメディアを作成することをオススメします。
作成することによりWindows環境に戻すことが可能です。
Windows 用のインストール メディアを作成する
Windows 用のインストール メディアを作成する - Microsoft サポートWindows 7、Windows 8.1、Windows 10 のインストールや再インストールで必要となるインストール メディアの作成方法について説明します。
機器の準備
OSをインストールする機器の準備として、ディスプレイ・キーボード・有線接続LANケーブル・インストールメディアが必要になります。
有線接続LANケーブルは家庭内のルータにつながっていることを想定しています。
インストールメディアのUSBメモリはあらかじめ機器に挿し込んでおきます。
Debianインストール
ブートメニュー
OSインストールは機器に電源を入れ、インストールメディアを最初に起動させることによりインストールを開始できます。
通常の機器の設定ではHDDやSSDから起動されるようになっているので、USBメモリを挿したただけではインストールの開始になりません。
そこで、機器の機能でブートメニューというものを呼び出してから、USBメモリから起動させることによりインストールを開始できます。
ブートメニューの呼び出しは、機器に電源を入れた後にブートメニューを起動するボタンを何度か押すことで呼び出せます。
ブートメニューの呼び出しボタンは機器により異なります。
DELL・Lenovoであれば「F12」ボタンになります。MINISFORUM GK41は「F7」でブートメニューが呼び出せます。
ブートメニューを呼び出せたら、インストールメディア(USBメモリ)を選択してインストールの開始になります。
※ブートするデバイスを選択(USB)
インストール内容
以下、MINISFORUM GK41でのインストール例です。
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インストール方法
まず初めにインストール方法の選択画面が表示されます。
「Install 」を選択します。「Graphical install 」と「Install 」は、内容はほぼ同じです。
「Graphical install 」はマウスが使えてグラフィックが凝っているだけです。 -
言語の選択
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場所の選択
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キーボードの設定
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ネットワークハードウェアの検出
WiFiやBluetoothのハードウェアが検出されますが、Debianの通常のパッケージにはドライバが入っていないので「いいえ」を選択します。
Debianで無線LANを使用したい場合、unofficialなCDイメージを利用するとインストール時から利用できます。
https://cdimage.debian.org/cdimage/unofficial/non-free/cd-including-firmware/11.6.0-live+nonfree/amd64/iso-hybrid/
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ネットワークの設定(ネットワークインターフェイス)
MINISFORUM GK41の場合、LANポートが2つあるので、選択肢が出現します。
LANケーブルを挿しているポートを選択します。
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ネットワークの設定(ホスト名)
好きな名前をつけます。
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ネットワークの設定(ドメイン名)
空で大丈夫です。
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root のパスワード設定
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ユーザアカウント・パスワード設定
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ディスクのパーティショニング
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パッケージマネージャーの設定
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パッケージ利用調査
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ソフトウェアの選択
「SSHサーバ」「標準システムユーティリティ」のみ選択します。
スペースキーで選択のON・OFFができます。
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インストールの完了
これでインストールの完了です。
インストール後にログイン画面が表示されれば成功です。
Debian GNU/Linux 11 share tty1
share login:
ログイン確認
root でログインできることを確認しましょう。
Debian GNU/Linux 11 share tty1
share login: root
Password:
以下のようになればログインできています。
root@share:~#
exit
でログアウトです。
root@share:~# exit
ユーザアカウントでログインできることも確認しましょう。
Debian GNU/Linux 11 share tty1
share login: horatjp
Password:
おわりに
Linuxと同様にWindows・macOSもインストールメディアをブートさせてインストールします。
機会があれば色々なOSでインストールを試してみてください。
OSのインストールは実際の機器だけでなく仮想環境でもできます。
仮想環境を構築できる、VirtualBoxや仮想専用サーバのVSPを使ってOSのインストールを体験できます。
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